47日間ニューヨーク近代美術館で逆さまに展示されていた絵がある

　フランス人の画家、アンリ・マティス（1869/12/31～1954/11/3）が描いた作品に、『舟』という題名の絵があります。

　1961年10月18日から48日間、ニューヨーク近代美術館でアンリ・マティス展が開催されたとき、この『舟』も飾られました。
　ところが、展覧会47日目（12月3日）の夕方。美術館に来たジェネベルブ・ハバートさんという方が、カタログの絵と展示された『舟』を見比べて、ある間違いを発見しました。なんと、絵が逆さまに展示されていたのです。

　つまり『舟』は47日間ずっと逆さまに飾られていたことになります。
　それまで11万6000人の客が来たにもかかわらず、誰も絵が逆さであることに気がつかなかったようです。

　結局、『舟』が正しい向きで展示されたのは展覧会の最終日だけになってしまいました。

　アンリ・マティス『舟』

主な参考資料

［文献］
『へぇの本 トリビアの泉 ～素晴らしきムダ知識～』VII:29-30ページ　フジテレビ トリビア普及委員会 編　講談社　2004