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きらめく雑学

ゴキブリは昔「ゴキカブリ」と呼ばれていた

 人間からは嫌われがちですが、約3億年前の古生代・石炭紀から地球に棲息しているという歴史の長い昆虫……ゴキブリ。

 この虫は、江戸時代には「ゴキブリ」ではなく「五器噛ごきかぶり」や「油虫あぶらむし」と呼ばれていました。「五器噛」は五器(蓋がついた椀)を齧ったことから付けられた名前です。

 現在確認されている文献の中で、初めて「ゴキブリ」という呼称が登場するのは、1884年に発行された岩川友太郎の『生物学語彙』だと言われています。
 『生物学語彙』には「ゴキカブリ」と表記している箇所と「ゴキブリ」と表記している箇所が見られます。本来は「ゴキカブリ」が正しく、「ゴキブリ」はどうやら印刷ミスだったようです。

Blatta,   蜚蠊属ゴキカブリ

『生物学語彙』: 29ページ 岩川友太郎 集英堂 1884

Cockroach,  蜚蠊ゴキブリ

『生物学語彙』: 53ページ 岩川友太郎 集英堂 1884

 このような間違いがきっかけとなって、「ゴキブリ」という名称が一般的になっていったのだそうです。


主な参考資料

[文献]
『生物学語彙』: 29、53ページ 岩川友太郎 集英堂 1884
『世界大博物図鑑』1 蟲類: 199ページ 荒俣宏 平凡社 1991
『話を盛りあげる究極の雑学』(角川文庫): 224-225 ページ ハテナスタジオ 編 角川書店 2003
『へぇの本 トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~』IX: 65-66 ページ フジテレビ トリビア普及委員会 講談社 2004

きらめく雑学

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